日本と西洋のトイレの歴史の比較:日本人はヨーロッパ人よりもはるかに優秀だった

日本人は今から約160年前に黒船が来航し、そして約70年前に第二次世界大戦でコテンパンに負けた経験を持つので、日本人はヨーロッパ人に対して憧れとコンプレックスを持ち、何千年も前から日本人ヨーロッ人よりも根本的に劣っているのではないかという気持ちを持っている人も少なくないのではと思います。しかし、日本とトイレの歴史をひも解くとき、その考えは少々違うことに気が付くと思います。

トイレの登場は日本では縄文時代

縄文時代で川に板を張り出して排泄をして、陶器のかけらを紙代わりに使用していたようです。
弥生時代の遺跡には下水道のような構造が見られることから、遅くとも弥生時代には排泄専門の施設として「便所」が成立したとされています。そして飛鳥時代になると、川を屋内に引き込むようになり、木片を紙代わりに使用するようになります。

平安時代には日本人もヨーロッパ人も庶民はトイレを使用しなかった。

平安時代になると、日本の貴族たちは樋殿(ひどの)もしくは樋筥(ひのはこ)とよばれる携帯型トイレを使用して、排泄後には紙を使用するようになりました。庶民は便所を使用しなかったようです。「餓鬼草紙」という平安時代末期に描かれた絵巻物には野外で糞便する光景が描かれています。

 一方、中世ヨーロッパでは排泄を恥ずかしいとみなすキリスト教の考えから、ヨーロッパ貴族や財力のある修道院を中心に個室トイレが発達しますが、弱小貴族や一般庶民の間では、おまるが使用されており、出した物は外へ直接垂れ流していました。ヨーロッパの一般庶民となるとそもそも家にトイレがなく、「おまる」を使用していました。そしておまるがいっぱいになると窓から外に放り投げていたようです。

なので、うっかり道の端を歩くと汚物が空から降ってくるということはザラだったようです。糞尿が路上に捨てられ、ペスト菌を持ったネズミたちが繁殖した。14世紀にペストで死んだ者は少なくとも2500万人いると言われています。この時代でもヨーロッパは日本よりお下品ですが、ここから先の時代、日本人の優秀さが目に見えてくるのです。

どんどんひどくなっていくヨーロッパ人とトイレでビジネスモデルを構築した日本人

 中世から近世に至る数百年間の間にヨーロッパではこの状況は全く改善されるどころかどんどんひどくなっていきます。産業革命が始まる19世紀後半になるまで、つまり黒船が来航(1853年)する時代になるまでこの状態は全く改善されず、ヨーロッパのトイレは汚物の「垂れ流し状態」がずっと続きます。栄華を極めたフランスのルイ14世もルーブル宮殿が汚物まみれになったため、ベルサイユ宮殿に引っ越したと言われています。

その一方で日本では鎌倉時代のころから「汚物の有効利用」がスタートします。鎌倉幕府が麦の二毛作を奨励して以降、人の糞尿を肥料として使用するようになり、汲み取り式トイレが普及します。その後、トイレは住居の一部に組み込まれるようになります。さらに、この「人の糞尿」の商品価値に目を付けてビジネスとして立ち上げる者が現れ始めたのです。つまり、トイレで発生した人の糞尿を「仕入れて」肥料という商品にし、肥料を使用する農業従事者に「肥料」という「商品」として売って利益を上げ、その農業従事者はこの「肥料」を使って農業の生産性を上げて野菜という「商品」を増産させて収益を得るというビジネスの循環型生態系を完成させていったのです。これにより糞にまみれたヨーロッパの都市に比べて日本の江戸は驚くほど清潔が保たれていたと言われています。

 

垂れ流しトイレのヨーロッパで発生した新商品

ヨーロッパでは町中汚物だらけだったので、「垂れ流しトイレビジネス」というのは発生したようです。

  • ハイヒール、ブーツ:街中にうず高く積もった汚物を避けるために、ハイヒールやなどの丈の高い靴が使用されていた。
  • 香水:宮殿内のひどい匂いや自分のひどい体臭をごまかすために使用されていた。
  • 日傘:道路を歩いていた時、上から降ってくる排泄物を直に被らない為に使用された。

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ヨーロッパ人がこの日本人の優れた「トイレビジネスモデル」に追いつき追い越したのはまさに日本に黒船が来航したあの時期にようやくなのです。そしてこの日本の循環型トイレビジネスモデルは戦後に化学肥料など他の肥料の普及して「人の糞尿」の商品価値が下がった時期まで数百年間続いたのです。

この事例考えるとき、今から数百年前に邪魔者として処理に困っていた「人の糞尿」は、現代では「原発の使用済み核燃料」に相当するかもしれません。いつか「原発の使用済み核燃料」の「商品価値」を見出し、「原発の使用済み核燃料」という商品で儲ける事業家が現れれば、原発の使用済み核燃料の処理問題は解決し、そして原発の使用済み核燃料商品化をやり遂げたその事業家は次世代の「ビルゲイツ」になるかもしれません。

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